インプラント治療は「どの医院で行っても同じ結果になる」。
このようにお考えの方が多くいらっしゃいます。
これは誤った考え方です。
歯が失われた部分にインプラントを埋め込むことはどのドクターでもできます。
しかし、見た目の美しさ、そして数十年後も維持しているかどうかはどのドクターでもできるものではありません。
インプラント治療はその場限りのものではなく、何十年も使い続けるものです。
また中途半端な治療をしてしまうと、早期にインプラントが脱離してしまう他、他の歯にもダメージを与え、回復させるために長い期間と多額の費用が掛かってしまうこともよく見受けられます。
先生が優しそうだから、設備があるからなど、安易な考えで治療をする医院を決めて良いものではありません。
では、どのような医院でインプラント治療を行うべきか。
歯科医師目線でその基準をお伝えします。
医院を選ぶうえでの「基準」
これは一般的に言われている基準となります。
もちろん当院ではすべての基準を満たしています。
基準1担当医のインプラント埋入実績/経験年数
当院でのすべてのインプラント治療は院長が責任をもって担当します。
他のドクターが担当することはありません。
これまで15年のインプラント臨床経験があり、多くのオペを担当してきました。
基準2世界6大インプラントメーカー「ZIMMER」を利用
インプラントメーカーは国内で流通している物で50から100社あると言われており、海外から個人輸入できるものも含めると200社を超え、それぞれ特性が異なりますし、中には粗悪品も含まれます。
メーカーを選定する上での基準は「
日本国内および世界におけるシェア」「
特性」となります。
当院で使用しているインプラントは、「ZIMMERインプラントシステム」です。
シェアを獲得しているということは多くのドクターにその有効性が認められているからに他なりません。
粗悪なメーカーは自然に淘汰されます。
ZIMMERインプラントの特性として「
HAコーディング」があります。
結晶率97%を誇るHA(ハイドロキシアパタイト)がインプラント全面にコーティングされていますので、骨とインプラントの結合が早まり
治療期間が短くなるのが特徴です。
基準3CT撮影を行う必ず行うこと~「安全性」をいかに高められるか
CTとは、立体的(三次元)に骨の状態や神経の位置を把握できる特殊な撮影装置です。
二次元のレントゲン(歯科医院にある通常のレントゲン)では見えなかったこと、分からなかった事が、CTなら正確な診査と診断ができ、安全性を高めることが可能となります。
医療において「見える」「見えない」は治療クオリティに大きな差が出ます。ましてや外科手術を伴うインプラントにおいてはなおさらです。
また、当院ではより安全性の高い治療を行うため、「ガイデッドサージェリーシステム」も利用しています。
ガイデッドサージェリーとは
ガイデットサージェリーとは、CTデータとシミュレーションソフトによる分析で得られた情報をもとに決定された、インプラントを埋め込む場所・角度・大きさ・長さなどの情報を反映させて作製されたマウスピースのようなものと理解いただければと思います。実際の手術では、これをお口にはめ込み、穴が開いている部分にインプラント体を埋入するだけで、安全なオペが可能になります。
また、これを利用することで手術時間の短縮につながるほか、骨の少ない難しい症例に対して、手術できるケースが増え、患者さんの身体的、経済的負担の軽減に役立っております。
基準4衛生管理体制/オペ室
インプラント治療は他の治療と異なり外科処置が伴いますので、万全の態勢で臨む必要があります。特に治療部位への感染防止のため、滅菌体制の構築は大切になります。当院では個室のオペ室があり、オペの際には滅菌体制を整えて治療に臨みます。
基準を満たしたうえで「更に必要となる基準」
これまでご説明した基準はあくまで「基準」となります。
これからお伝えすることは、更に上位の基準となりますが、歯科医師自らがインプラント治療を受ける際に、誰しもが選定基準に入れるだろう事項をご紹介します。もちろんどの基準も当院は満たしております。
歯科医師基準1「グローバルスタンダード」に則る
グローバルスタンダードというと大げさな感じがしますが、そうではありません。
インプラント治療は全世界で行われている治療で、日々、新しい考え方、より安全な施術方法などが発表されています。その情報をキャッチアップし、治療計画や実際の治療に落とし込む姿勢が、医療人としてのあるべき姿です。
歯科先進国の欧米と比べ、日本の歯科医療はまだまだ遅れていると言われています。つまり、日本で得られる情報では不十分なのです。常に世界に目を向けなければなりません。
以前、インプラント事故が世間をにぎわせたことがあります。
原因は、本当に基本中の基本をおろそかにしたことでした。
いくら最新の設備があり、たくさんの症例をこなしていたとしても、術者側が情報を持ち得なければ、治療は中長期的に必ず失敗します。
世界的に認められている「
基準」にのっとり治療を行うこと。
これが患者さんへの
礼儀ではないでしょうか?
歯科医師基準2「末永く利用するための」治療法・材料の選択
「インプラント治療をすれば長期にわたって使い続けることができる」
このように考えている患者さんは多くいます。
これは正しい認識ではありません。
正確には、「しっかりした技術・経験・知識をもったドクターが担当すれば」、そして「患者さんご自身がしっかりとメンテナンスをする」という文言が付与されます。
つまり、長期安定させるためには「歯科医師の質」「患者さんの協力」がすべて必要になります。
ここでは「歯科医師の質」に関してお伝えします。
先ほどもお伝えしましたが、インプラントを埋入することは歯科医師であれば誰でもできます。しかし、治療後、どれだけ長期的に安定させられるかはドクターの技量にかかってきます。治療費に見合うインプラントを皆様には手に入れて欲しいと思っています。以下、インプラントの長期安定のために大切なことをお伝えします。
「予知性」の大切さ
「治療の予知性」とは施された治療がどのくらい長持ちするのかということを臨床経験に基づいて評価することです。つまり、1本のインプラントをこの部分に、この角度で、この長さのインプラントを埋入することで、長期的にどのようなことが起きるのかを事前に計算してオペを行うということです。
「嚙み合わせ」の大切さ
天然歯は「歯根膜」というものがあり、噛む力を上手に分散してくれます。
しかし、インプラントはこの歯根膜がありません。
そのため、「垂直」の力には対応できるのですが、「横の揺さぶり」の力には上手に対応できません。
そのため、歯と歯の噛み合わせを新たに設計し、「横の揺さぶり」を軽減させる処置が必要になります。
インプラント治療後、インプラントが抜けてしまう大きな原因はこの噛み合わせがうまく調整されていないことが多くあります。
当院ではこの部分までもしっかり計算した上で、インプラントを行っています。
「清掃性」の大切さ
インプラント治療をしたとしても、「インプラント周囲炎」という病気に気を付ける必要があります。これは「歯周病」と同じ病気で、最終的にはインプラントを支えている骨が溶け、インプラントが脱離してしまいます。
この病気の原因は「日々のお口の清掃が上手にできていないこと」が原因です。
それではしっかりお口のケアをすればこれを防げるのかというと、そうではありません。
インプラントは上部構造とアバットメント、インプラント体の3つの構造に分かれます。
それぞれ別の部品でできていますので、境目にどうしても汚れがたまりやすくなります。
日々のブラッシングでその汚れをしっかり落としきることができるのであれば問題ないのですが、ケースによっては構造上どうしても汚れを落としきれないこともあります。
そこからインプラント周囲炎が発症し、問題が起きてしまうのです。
そこで当院では「付着歯肉移植術」という処置を行うことがあります。
歯を失ってしまうと、歯を支えていた骨や歯肉などの組織が退縮しますので、「付着歯肉(動かない歯ぐき)」というものが大幅に無くなります。
付着歯肉は、お口を動かしたときに動かない歯肉のことですが、これがなくなっていると、お口を動かした際、歯と歯肉の間の歯周ポケットという部分が開いてしまい、この部分に歯周病菌が入り込み、インプラント周囲炎を進行させます。
そのため、当院ではインプラントをより長持ちさせるために、インプラントの周りに人工的に付着歯肉を増やす処置を行っています。