歯並びだけではなく
お口の「機能性」を向上させます
子どもの歯並びが悪くなる大きな原因は「顎と歯の大きさ」にあります。顎の発育には、適度に硬いものを噛んで、顎に刺激を与える必要があります。しかし、食生活の変化により、昔と比べて柔らかく栄養価の高いハンバーガーやポテトなどを食べる機会が現代の子どもたちは多いため、顎が発育しづらくなっているのです。
また一方で、食事の栄養価自体は高くなっているため、歯そのものは大きくなりやすくなっています。つまり、狭い顎に大きな歯が並ぼうとするため、歯並びがガタガタになってしまうというわけです。
ただし、子どもの場合まだ成長過程にあるので、ただしくアプローチすれば顎のスペースを広げることが可能です。具体的には、食事を見直し咀嚼を促したり、頬や舌の筋肉を鍛えてお口全体の機能の成長を促します。さらに、口しゃぶりや頬杖、口呼吸などの悪癖といって歯並びを悪化せる癖を改善することで、歯が綺麗に並びやすくなります。
当院の子どもの矯正「特長」
当院の子どもの矯正治療には次の特長があります。
- お子さんのお口に最適な「装置」の選定
- 小児担当医と連携した「MFT」の実施
それぞれご説明します。
その① お子さんのお口に最適な「装置」の選定
当然ですが、お子さんによってお口の状態は異なります。当院では、それぞれのお子さんに最適だと考えられる装置を使い分けて治療を行います。
例えば、歯並びそのものを改善する際には「急速拡大装置」や「リンガルアーチ」「マルチブラケット」などを使用します。また、悪癖やお口周りの筋肉等の機能を改善する際は、「マルチファミリー」や「ムーシールド」、必要に応じて「FKO」や「タングクリブ」などを使い分けます。
「歯並びそのものを改善」する装置の代表例
急速拡大装置
急速拡大装置は、歯列矯正の一環として上顎の幅を広げるために使用される装置です。歯の内側に取り付けられ、ねじを調整することで上顎の骨を拡げる効果があります。
リンガルアーチ
リンガルアーチは、歯列矯正に用いられる装置で、主に上下の奥歯(大臼歯)に取り付けられ、歯列の内側(舌側)をアーチ状に連結する治療法です。奥歯の位置を安定させたり、前歯の移動を制御したりするために使用します。
「お口の機能を改善」する装置の代表例
マルチファミリー
マルチファミリーは、5歳から13歳までのお子さんを対象としたマウスピース型の矯正装置です。、子どもの成長期に合わせて歯並びを改善し、口周りの筋肉を鍛えることを目的としています。
具体的には、自然な歯並びへと導くためにマルチファミリーを使用して口周囲の筋肉をトレーニングします。装置の装着は、日中に約2時間と、夜間の就寝時に行っていただく形となります。
ムーシールド
ムーシールドは受け口を改善する矯正装置です。受け口とは、下の前歯が上の前歯よりも前に突き出している状態で、専門的には「下顎前突」や「反対咬合」とも言われます。
お子さんにこのような兆候が現れた場合、早期に治療を始めることが重要です。早い段階で対処することで、より効果的な矯正が可能になります。
その② 小児担当医と連携した「MFT(口腔筋機能療法)」の実施
歯並びが悪くなる原因の一つに悪癖(頬杖や指しゃぶり)があります。歯は継続的に力がかかると動きます。例えば、頬杖をつくと、一定の力が顎や歯にかかるため、歯がゆっくりと移動し、歯並びが乱れる原因となります。
また、指しゃぶりが続くと、上顎が狭くなり、歯列が窮屈になることがあります。この結果、歯が正しく並ばず、歯並びが悪くなる可能性があります。
このような悪癖を改善するために、当院ではMFT(口腔筋機能療法)を行います。舌の先を上の前歯のすぐ後ろの硬口蓋(スポット)に置く訓練や、舌を正しい位置に保ちながら、唾液を口の中で集め、正しい飲み込み方をするなどの練習を通して、お口の機能を鍛えていきます。
必要に応じて、小児担当医と連携を取り、お子さんに合ったプログラムを組み合わせ、毎日のトレーニングを習慣化していけるようアプローチをして正しい機能を身につけていただきます。
まとめ
このように、MFTと適切な矯正装置を組み合わせることで、治療期間の短縮、治療後の後戻りを防ぐ効果が期待できます。
当院の矯正治療の流れ
口腔内写真
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矯正相談(30分)
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検査
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診断
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装置セット
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調整or観察(月に1回程度)1年~2年
↓
保定装置セット
コラム矯正治療で「鼻呼吸」を獲得しましょう!
お子さんの矯正治療では、お口全体の機能の改善に加えて「鼻呼吸」の獲得も大切です。
鼻呼吸ができない状態が続くと、「口呼吸」が習慣化してしまい、口腔内が乾燥して細菌が増殖しやすくなります。この結果、病原菌が体内に侵入しやすくなり、健康リスクが高まることが懸念されます。
さらに、「口呼吸」は歯並びの悪化にもつながる原因となります。詳しい説明は省略しますが、口呼吸が習慣化すると、舌の位置が低くなり、それが上顎の正常な発育を妨げ、結果として歯並びが崩れてしまうのです。
歯並びだけではなく、全身の健康維持のためにも鼻呼吸を習慣づけることは非常に重要です。
子どものうちに矯正する「メリット」
子どもの矯正は大人の矯正とは異なります。子どもの場合、成長段階にあるため、この成長力を上手に生かすことで、理想的な歯並びを獲得することができます。具体的なメリットは次の通りです。
メリット1虫歯・歯周病リスクの低減
歯並びがデコボコしていると、歯と歯の間に汚れが溜まりやすく、また歯ブラシが届きづらく磨き残しが増えてしまいます。そのため、通常よりも虫歯が発生しやすくなるだけでなく、成人後には歯周病のリスクも高まります。
実際、虫歯と歯周病は、歯を失う原因の約7割を占める重大な疾患です。将来的に”自分の歯を守る”ためにも、できるだけ早い段階で歯並びを整えておくことが非常に重要です。
メリット2非抜歯で矯正できる可能性が高い
子どもの矯正治療では、”歯を抜かない”ことが基本的な方針となります。成長期にある子どもは、骨の発育を促しながら、歯が並ぶためのスペースを作り出すことが可能です。これにより、歯を抜かずに治療を進めるチャンスが大幅に広がります。
メリット3コンプレックスからの解放
歯並びの問題は、成長後の心理面にまで深い影響を及ぼすことがあります。特に思春期という繊細な時期には、人前で話すことに対して恥ずかしさを感じたり、周囲の何気ない一言が心に深く刺さったりすることもあります。
幼い頃から矯正治療を始めることで、こうした心理的な負担を軽減し、心の健全な成長をサポートすることができ、コンプレックスから解放される助けにもなります。
その他、通院が楽しくなる「工夫」
お子さんが歯医者に来るのが楽しくなるよう、当院ではさまざまな工夫を行っております。ここではその中でも代表的なものをご紹介します。
工夫1「キッズスペース」で治療前にリラックスできます
お子さんが治療前にリラックスして過ごせる場として、また、ご家族の治療中に安心してお預けいただける場所として当院では「キッズスペース」を完備しています。
親御さんも安心して治療に専念できる環境を整えていますので、どうぞご利用ください。
工夫2「お子さん専用」の診療室もあります
当院には、お子さん専用の診室も完備しています。親御さんと一緒に入れるよう、広々とした設計になっているので、ご家族で一緒に診察を受けられます。バリアフリーですので、ベビーカーのまま入室も可能です。
工夫3治療を頑張ったお子さんには「ご褒美」があります
治療を頑張ったお子さまには、ささやかなプレゼントをご用意しています。このプレゼントを楽しみにして来院されるお子さまも少なくありません!
親御さんへ当院からのメッセージ
お子さんの矯正のタイミングについて悩まれている親御さんもいらっしゃると思います。巷では具体的に〇歳から〇歳が最適といった情報を目にすることもあるでしょう。
しかし、お子さんの成長は当然ですが個人差があります。お子さんによってどの時期に治療をはじめるのかベストなのかは、実際にお口の状態を拝見し、診査・診断を行う必要があります。
そのためお子さんの歯並びが気になったらまずは相談されることをおすすめします。相談=治療しなければならない、と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、「お子さんのお口の成長を確認する」感覚でぜひ、お気軽に当院へご相談ください。
矯正治療の内容やメリット・デメリット、リスクについて
治療内容
矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費(自由)診療です。矯正治療とは、金属製のワイヤーやブラケットを用いた矯正装置や、マウスピース型カスタムメイド矯正装置などを歯に装着して、乱れた歯並びや噛み合わせをキレイに改善する治療のことです。凸凹な歯並びや出っ歯、受け口、口元の突出などの噛み合わせの悪い歯並びを治します。
治療期間に関して
一般的な治療期間2~3年間、通院期間24~36回。
費用について
個人の症状や治療内容などによって異なるが、約22~110万円(税込)ほどかかる(自費診療)
メリットとデメリット
メリット
デメリット
- 抜歯を必要とする場合がある
- 自費診療となり健康保険対象外であるため高額になることがある
- 歯根吸収が起こることがある
- 少しずつ顎や歯を動かすために、長期間の治療となる
- 装置を装着するため痛みや圧迫感があり、ストレスとなる場合がある
- 歯並びを整え、咬み合わせを改善するためやむを得ず、健康な歯を抜くことがある
リスク
- 装置装着後と通院における装置調整後は、1~3日ほど痛みを伴うことがある。痛みの時間や感じ方には個人差がある
- ワイヤーやブラケットを用いた矯正の場合、歯と矯正装置の間には汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病(歯肉炎)になる可能性が高くなる
- 治療後、保定装置(リテーナー)を使用しないと、歯が後戻りをすることがある
初診「個別」相談へのご案内
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。
0120-52-4122
フリーダイヤルが
つながらない方
084-960-4122
9:00~12:30/14:00~18:00
休診日:水・日・祝
保険診療も対応
駐車場26台完備/湯野駅徒歩7分
〒720-2122
広島県福山市神辺町新湯野39-5